4時間目 援助を求めるスキルを磨く

LINEで送る

心の健康を護るためには、人に助けを求めることは大切です。
では、どうやって助けを求めていけばよいのでしょうか・・・。

何かの出来事に対して「それをどうのように受け取るか」ということは、人によって様々です。同じ体験をしても、楽観的に捉える人と、とてつもなく重大な問題だと捉える人がいます。このように、物事の受け取り方が、人の心を苦しめる原因になるんです。
物事を歪んで捉える(認知の歪み)を、アルバート・エリスという人はイラショナルビリーフ(非合理的な思い込み)とよびました。
物事は、いろいろな捉え方ができるにもかかわらず、自分だけのものさしで「こうあらねばならない」と決めつけてしまい、自分で自分を追い詰めるのです。看護師はこの傾向が強い職種だと言われています。

たとえば看護師は「上司の命令には従わなければならない」とか「仕事は私生活を犠牲にしてでも頑張らねばならない」という思い込み(認知の歪み)が、無意識に植え付けられる特徴があるといわれます。だから「出来ません」「助けてください」とうまく相手に援助を求めるスキルが低く、頑張りすぎてつぶれてしまう看護師が多いのです。
援助を求めることを、みなさんはどのように思いますか?
「本当は自分で頑張るべきだけど出来ないなら仕方ない」 という感覚でしょうか?援助を求めることに対して、自分自身の汚名につながると考える人が多いとも言われていますが、対人関係を通して必要な援助を正しく求めることは、決して恥ずかしいことではなく、自分を向上させるための大切なスキルです。

対人関係による援助を、ソーシャルサポー トと呼びますが、これは大きく2つの種類に分かれます。

①情緒的サポート これは、お互いに心の交流がある対人関係のことを言い、困った時に話を聞いてもらうなどの援助です。何も解決策が出なくても、ただ話を聞いてもらう、ただそばにいてもらうことだけで、楽になった経験はありませんか?これを情緒的サポートと呼びます。

②道具的サポート これは、なにか困ったときに、一緒に解決策を考えたり、解決方法を教えてくれるような信頼できる対人関係のことを言います。心理的な問題ではなく、物理的にどうした ら良いかがわからなくて助けてもらうような援助をイメージして下さい。

このような援助をうけながら、困ったことへの対処をすることは、心の健康を護るためにも、仕事上で知識や技術を向上させるためにも必要なことであり、決して悪いことではありません。そんな風に、「援助を受ける」ということに対する考え方を柔軟にしてください。そして、援助をうけながら自分を向上させて下さい。
ただ、何でもかんでも助けを求めてOKというわけではありません。逆の立場なら、全く努力もせずに援助を求めてきても、助ける気持ちにはなりませんよね?だから、どこまで、自力で頑張るかも同時に考えてみましょう。そして無理なら援助を求めればいいのですが、そのためには日ごろから、あなた自身もだれかを助け、人間関係を良好に保つ努力も必要ですね。