地域が求める医療を提供

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m4パナソニック健康保険組合
松下記念病院 院長 山根哲郎さん

当院は、松下電器産業(株)(現パナソニック(株))創業者、松下幸之助氏の発案により、1940年に「松下病院」として開設し、1986年に「松下記念病院」として現在の地に移転して、長きに渡って地域の医療を支えています。当院は企業が経営する、いわゆる「民間病院」と思われることが多いのですが、パナソニックが経営している病院ではなく、厚生労働省が監督するパナソニック健康保険組合が設置主体であり、公的病院に近い位置づけになります。したがって、地域が求める医療を公平に提供する使命をもって病院を運営しています。
当院の理念は次のとおりです。
松下記念病院は最高の医療と、患者さまに満足していただける安全な医療の提供につとめます。さらには医の高い倫理性や人間愛を尊重した医療をめざします。
1.患者さまやご家族に信頼される安全で質の高い医療を提供します
2.患者さまに満足していただけるホスピタリティを提供します
3.地域医療連携と救急医療を推進し、地域貢献・社会貢献をめざした医療を行います
4.将来を担う医療人の育成につとめます
5.働きがいと誇りを持てる職場環境を整備し、それを患者さまの満足につなげます

効率的で質の高い医療提供の実現にむけて

当院は非営利の健康保険組合が経営しているという特徴もあり、営利を目的にして病院経営を考えることはできません。しかし、それなら利益は不必要なのでしょうか・・・。そんなわけはありません。自分たちが信じた“いい医療”を永続的に実現させるには、必要十分な資金が必要です。余剰利益を出すことで、理念を遂行するとこへの投資、たとえば医療機器の購入やアメニティの充実、職員の教育や環境整備、もちろん職員に経済的な安心感を与えることも可能になります。利益が低ければ“いい医療”が提供できず、患者さまに満足を提供できなくなって、当院の存在価値はなくなってしまいます。だから当院では、職員全員で利益を実感しながら、経営参画するということを理想として、5年前から“京セラ式(アメーバ式)原価管理”を導入しています。
このシステムを導入してからは、職員全員が成果を意識して、常に行動を振り返りながら働くうになり、医療チームが結束し、効率的で質の高い医療提供の実現へとつながっています。また、それによって自分たちの仕事の価値を実感する看護師さんが増えてきたように思います。

看護師を自慢できる病院にしたい

看護部組織について思うのは、病院の中で看護部門は一大勢力として独立していることへの弊害です。一般的に、病棟には「ナースステーション」があり、患者さまのベッドサイドには「ナースコール」があるのが当たり前になっています。しかし、多職種で医療を提供しているのに、看護師だけが病棟を管理し、患者さまの要望にも率先して応えなければいけない意識は、看護師を多忙にするばかりだと考えます。壁をつくることで、自分たちを追い詰めては意味がありません。そこで当院では、看護師の負担を抑えて看護本来の仕事に打ち込んでほしいという想いから、職員の意識を変えるために「ナースステーション」「ナースコール」という名称を廃止し、どの職種も並列で使う「スタッフステーション」に変え、患者さまからコールがあれば、どの職種であれベッドサイドに足を運ぶ意識改革に取り組みました。また、業務の効率化を願い、機械にできることは機会に任せ、人の手でしかできないことに時間を割くという意味で、院内の運搬業務はロボットを活用しています。
私が願うのは、自分の病院の看護師を自慢できるような病院にするということ。そのために、無駄な業務を削減して、看護師が極力ベッドサイドにいられる時間を確保して、看護の質を高める支援を強化したいと考えています。

ハートがなければ高度な看護は提供できない

看護学生のみなさんに、ぜひ伝えたいのは「ホスピタリティ」の重要性です。私は、ホスピタリティとは「患者さまを愛おしむ気持ち」「博愛の精神」だと考えています。そのハートがなければ医療人ではないといっても過言ではなく、そんなハートを持つのが医療人だから尊敬される存在でいられるのだと考えています。
看護師にとって、高度な知識や技術は大切ですが、それを使う人としての根底にハートがなければ高度な看護は提供できません。そしてそのハートを育てるのは、若いうちに経験を積み重ねていくことしかできないものなのです。そのトレーニングとして、まずは身近な人に心を配ることを癖にしていってください。誰かが困っていたら自ら手を差し伸べることを意識して繰り返すこと、それができないと思う人は、別の道を選ぶ方がお互いのためかもしれません。また、感動する体験を意識的に増やして感性も鍛えていきましょう。
技術はハートでカバーできますが、ハートは技術でカバーできるものではありません。看護師になろうと思うならば、意識してハートを鍛えてください。そして、人々のために貢献して幸せを感じる、そんな看護師人生を歩める基盤を、学生時代につくってくださることを願っています。


松下記念病院ホームページ>>>

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