「自分が出来る事は何だろう?」と考えるのが一番大事!

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ある学生とのエピソードです。彼女は勉強が苦手でしたが、心の優しいいい子でした。でも、外見が派手なのと、ルーズな性格で問題児扱いをされていたのです。

あるとき実習で、彼女は化学療法を受ける女性患者さまを受け持ちました。科書通りの経過をたどっておられ、看護計画も立てやすい患者さまでした。しかし・・・

患者さまは、頭髪が脱毛してターバンを巻いておられました。
数日後、教員が実習場に行くと、「先生~~~」と、彼女以外の学生が教員の元に駆け寄っています。何と、彼女は患者さまのためにカツラを作ってきたというのです。
しかも下手な作りで、患者さまに見せられない作品だというではないですか・・・。
そのうえカツラ作りに熱中して記録を書いてきていない様子です。

「先生!指導者さんにバレないうちに早く彼女を止めて!」と、他の学生は悲壮感いっぱいです。
しかし彼女は冷静で「髪の毛のない患者さまを見て、同じ女性として気の毒に思った」と。
(いやいや、そのカツラを被されるほうが気の毒なような・・・)しかしその教員は、彼女のそんな想いに心を打たれました。

でも指導者さんは激怒!
「同情するのは患者さまに失礼だ」「看護師として観察が出来ていない」「看護過程が出来ていない」「勉強する事から逃げている」 などなど・・・

確かに指導者さんの言うことはそのとおりでした。
「同情」と「共感」は違います。
同情は、相手よりも上から目線で見ているから出てくる感情だといわれます。だから、看護師は同情ではなく共感しないといけないといわれます。

でも、そんな風に人は簡単に感情を処理できるのでしょうか?
学生の「気の毒だ」「私が何とか助けたい」という思いは大切なのではないでしょうか?
「何とか患者さまの力になりたい」という思いが、看護を学ぶパワーの源になり、そして看護を深く知ることで、同情と共感の違いを体得していくと思います。

患者さまを看る前に、看護過程のマニュアル本を見る学生が多い中、患者さまと向き合って「何か力になりたい」と考えた彼女は素晴らしいと思いました。
方法は間違っていたかもしれないけれど、まずは自分で考えた彼女を誉めるべきだと思います。

いつも成績は最下位を争っていた彼女は、国家試験の合格も無理だろうとささやかれていました。にもかかわらず1発で合格!!
今は看護師として、立派に活躍しています。
問題児だと言われ続けた彼女でしたが、患者さまに慕われ、適切に判断できる看護師に成長しているようです。

マニュアル通りの学びだけでは、社会に出たとき臨機応変に対応できません。
マニュアル本を見る前に、「自分が出来る事は何だろう?」と、まずは自分の頭で考えるトレーニング、それが社会で役立つ看護師になる第一歩だと考えます。

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